佐渡島庸平さんのWE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~ (NewsPicks Book) を書き起こします。
佐渡島庸平さんは、『君たちはどう生きるか』『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』を仕掛けた、メガヒット編集者です。
朝渋(渋谷界隈の人のための会員制朝活コミュニティ)でも講演されたので、聞きに行ってみましたが、本とはまた異なる内容で、コミュニティとの関わり方についてお話しされていました。
WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐渡島庸平
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/05/09
- メディア: 単行本
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~第一章 現代の孤独とコミュニティ
Facebookの企業ミッションは、
「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する。」である。
「安心と自由」どちらが重要か?
安心を得る=自由を失う、トレードオフ
村社会→高度経済成長期→終身雇用の崩壊という歴史の流れで、自由を得たが、その一方安心をなくした。
しかし孤独ではない。ネット上でのコミュニティこそが自由と安心の両方をもたらしてくれるのでは?
仕事するのは当たり前か?
なめらかな世界
アイデンティティとは。なにを手に入れているか→何を、なぜやってるか、
教育
問題解決より、問題発見
情報の爆発
「今までの社会は不自由で、僕らはそこに無理やり合わせていた。」過渡期、混乱期を経て、
現代は情報が多すぎて逆に不自由になっている。「誰が言ってるか」が重要になっている。
どのコミュニティに入るかだけを意思決定する、そうすると人は情報爆発に対応できるのではないか。
情報の可視化
インターネットは今まで出会うことができない人との出会いを産み出した。マイノリティの孤独を癒やした。
コンテンツが少ない時代=毎日のプロ野球の話題、すごく不自由。
好きなものの細分化、孤独ではない。#MeToo。
マジョリティの孤独
ネットは「リンク・フラット・シェア」
孤独は肥満より脅威、社会的なつながりが維持できるコミュニティつくり、参加を促す
肥満は鏡で気づく。孤独は気づかない。
オープン過ぎるSNSの問題は、全く逆の意見があるのが当然なのに、ポリコレ求められすぎてる。
SNSは絶好調時を切り取った記録でしかない(なのに常に絶好調だと見る側は取り違える。)
どんな風に死ぬのか?
自分自身が幸せになるために、安心と自由の両方が確保されたコミュニティが必要。
第二章 持続可能な経済圏としてのコミュニティ
「自分のことを深く理解しようとしてくれている人が一定数以上いること、それが幸せに直結するのでは?」
なぜミュージシャンは活動休止しても復活できるのか。
エージェントと、ファンコミュニティの存在
ビジネスの基本
コミュニティを持つことがビジネスになるのか?
パレートの法則(2割の客が8割の売上を支える)
時間節約と時間消費
「変態とは目を閉じて花瓶の形を両手で確かめるようにじぶんの欲望の輪郭をなぞりその正確な形を突き止めた人のことだ」
日本酒ではなく、ホームパーティを売る
「これからはモノではなく体験を売ることになる。」
参加を生み出す仕組み
「ほぼ日刊イトイ新聞」原稿料無料なのに作家はどうやって暮らしていた?
自発的に参加していた。誰も仕事として参加していなかった、みんなが楽しいから、やりたいからやった。
自分ができる範囲で自分ごととして参加する、その仕組を用意すること。
『宇宙に命はあるのかー人類が旅した一千億分の八』出版
SNSを使ってコミュニティを作る
ファンコミュニティは「質×ファン数×関係の深さ」の三次元
ファンクラブからファンコミュニティへ
ファンのピラミッドを作る。User,liker,acceptor,commiter。
週刊少年ジャンプの「ジャンプ放送局」編集部と読者がインタラクティブな関係
宇宙兄弟のグッズはグッズではない
グッズが売ったのは「ビシッとする気持ち」だった。
わからないものこそがコミュニティを面白くする。
誰もが作りての時代、求めるのはモノではなく心の満足。どうやって作り手に回ってもらう余白を作るか。
第三章 安全・安心とはなにか?
ドミノの一枚目を探せ
なぜ四十九日法要をやるのか、優しい嘘のストーリー
コミュニティの5つの要素①余白の存在②常連客の存在③仮想敵を作ること④秘密やコンテクスト、共通言語を共有すること⑤共通の目的やベクトルを持つこと
宗教、革命、全部当てはまる。ゼロからコミュニティつくるとき、常連いないじゃん。
熱狂を生みだしてもいいのか?熱狂は太陽、人を焼き殺す。
安全・安心とはなにか?人によって違う。安全と安心はどう違うのか?
安全とは、客観的な事実、安心とは、人の心理状態。
安全が確保されていても安心は確保されていない状況は起こり得る。
安心・安全の確保→熱狂→拡大→安心・安全の確保、を繰り返すのが重要。
強い人なんていない(強いフリのできる人間がいるだけ)
コミュニティは拡大するたびに新旧両メンバーの安心・安全が必ず脅かされることを理解して安心・安全確保する。
そもそも熱狂とは?
テンションが高い状態(スポーツ観戦)、疲れちゃう、崩壊しちゃう。
モチベーションが高い状態、困難に直面しても乗り越えようと頑張れる。「静かな熱狂」これがコミュニティに必要な熱狂。
信仰ではなく、信頼へ。
安心・安全を確保した後に目指すのは、信頼。
信仰、信用、信頼の違いは。
信仰:無条件で信じる。宗教。
信用:過去の実績を価値があると評価すること。片方から一方的。
信頼:過去の実績を「信用」して、不確実性のある未来のことも信じて、評価する。双方向。だから「信頼関係」、これを築くことが本当に重要。信頼関係のあるコミュニティに所属すると、どの情報をスルーし、どの情報に耳を傾ければよいかわかる。信頼関係ある人が発する情報を信頼することができる。
情報は一人ひとり、手渡しで。プロジェクト開始時、給与という対価があるために、信頼関係がなくても、仕事が割り振られ、機会的に仕事を割り振られた人たちが行うプロジェクトは、大概失敗する。
安心・安全を確保したプロジェクトの進め方。
お題を出して、それにリアクションすれば、コミュニティに所属できるようにリアクションを設計する。(いいね)
役割・イベントを設計する。野球は9こ役割がある、決めずに動くと不幸。
コミュニティ運営時は、学校行事に置き換えられるイベントを作っておいたほうが良い。
コミュニティの中心は外部とつながる。自分の物語を何度も語れ。
第四章 コミュニティを編集する
最初の火をおこすためのコミュニティ
あえて余白を作ってメンバーに自由に活動してもらう
共犯者の数が作品の強さを決める
安心・安全を確保するとコミュニティは自走する
納品主義:一度で完璧な情報を伝えること、一般企業での仕事のやり方。Iphone。
アップデート主義:不完全でもまずは伝達し、そこから修正を加えていくこと、コミュニティの理想、Slack。
長文メール来たら返信しない。
「この人は面白い」と誰に言われるようになるか、「この人の言うことなら信頼できる」キュレーターの出現。
自分はこういう人間だという人間性を、いかにネットの世界にさらけ出せるかが勝負
一回のコミュニケーションで完璧に、から、不完全な短いコミュニケーションを何度も、に変わっている。
みんな欲しがるコミュニティ
みんな作りたがるコミュニティ
多すぎてどれを信じて、どれに入ればいいのかわからなくなっているコミュニティ
皆さんの参考になれば。ぜひ手にとって読んでみて下さい。