不動産鑑定士のブログ 〜坂の上の雲〜

更新頻度が比較的高い不動産鑑定士のブログです。ためになる情報を発信していきます(たまに下ネタも。)。

【第353回】オフィス不要論を考えると恐ろしくて夜も眠れない。その3

こんにちは、城山です。

 

今回は再びオフィス不要論について考えてみましょう。

 

www.buzzlife1a0312758.com

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はじめに

今回参考にするのはクッシュマンのレポートです。

 

ワークプレイスの未来: COVID-19環境下で得られたデータから見える、新しい職場環境とは? | 日本 | Cushman & Wakefield https://www.cushmanwakefield.com/ja-jp/japan/insights/xsf-future-of-workplace-report-2020

 

ワークプレイスの未来: COVID-19環境下で得られたデータから見える、新しい職場環境とは?

一部、日英で異なる部分があるようですが、まぁだいたいは同じこと言ってるとおもいます。

 

The new normal will be a total workplace ecosystem

Through our proprietary Experience per Square FootTM (XSF) tool, Cushman & Wakefield has captured more than 2.5 million data points from workers all over the globe in the pre-COVID-19 era and a further 1.7 million data points from more than 50,000 respondents in the current work from home environment. 
 
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドでは、オフィスか在宅かの勤務環境に関わらず、職場体験そのものを形成する主な要因について理解するための、データと証拠に基づいたアプローチを採用しています。独自に開発したツール「Experience per Square FootTM(XSF、1平方フィート当たりの体験)」のデータベースおいて、COVID-19以前における世界中の従業員の職場体験のもととなった250万以上のデータポイントの分析と共に、現在在宅勤務環境にある世界中の4万人以上から得た170万以上のデータポイント(XSF@home)の分析を行いました。

Our workplace specialists analyzed this data to develop a report on the future of workplace, which gives you an inside look at the unrivaled insights into how employees are coping right now – identifying their key successes and critical challenge. With this data, Cushman & Wakefield has developed a report that provides insight into the future workplace.

これにより、いま従業員がどのように現在の状況に対処しているかについて独自の洞察が得られた上、さらに現在の状況における「成功」と「課題」の両方を特定しました。これらの問題の厳密な理解により、「誰がオフィスに戻るべきか」について知見を獲得することができました。これら洞察を通じて最終的には、ワークプレイス戦略を革新・進化させ、従業員の「ウェルビーイング(心身の健康・豊かさ・幸福)」と「生産性」の両方を促進する職場エコシステムの開発プラットフォームの構築に寄与できることを期待しています。


1. Productivity can occur anywhere, not just at the office:

  • Pre-COVID-19, remote workers were more engaged and had a better workplace experience than office workers
  • During the pandemic, effective team collaboration has reached new heights, through better leverage of remote collaborative technology, and the ability to focus was upheld

1. 従業員はオフィスだけでなく、どこでも生産性を発揮できる

• リモートワーカーは常に良く業務を遂行している: COVID 19以前に主にリモートで働いていた従業員は、オフィス勤務中心の従業員よりも職務への従事度や仕事体験が優れており、これらは場所にとらわれない働き方が効果的であることを示しています
 コラボレーションが今までにないほど進んでいる:パンデミックの間、リモートコラボレーションテクノロジーを用いた、生産性の高いチームの協業が、更なる高みに到達しています
• 個人の集中力は高い水準を維持:自宅で就業していても、個々のタスクを生産的に行う必要がある際には集中することが可能なできることを、従業員は継続的に報告しています

 

2. Flexibility and choice to work from anywhere is accelerating

  • 73% of the workforce believes companies should embrace some level of working from home
  • Human connection and social bonding are suffering, impacting connection to corporate culture and learning
  • Younger generations are reporting more challenges working from home

2. 場所にとらわれず働くための柔軟性と選択の機会が加速している

• 従業員は柔軟性を求めている:労働力の73%は、自分の会社がある程度の在宅勤務を受け入れるべきと考えています
• 人々が交流するにはさまざまな場所が必要:個人的なつながりや絆が弱まり、組織文化や学習機会に影響を与えています。必要に応じて働く場所を選択できるようにすることで、業務の遂行と個人間の繋がり構築の両方が可能になります
• 従業員が感じる大きな信頼:従業員の90%は、リモートで業務を行うにあたり、会社から信頼されていると感じています

 

3. The new normal will be a Total Workplace Ecosystem:

  • The workplace will no longer be a single location but an ecosystem of a variety of locations and experiences to support convenience, functionality and wellbeing
  • The purpose of the office will be to provide inspiring destinations that strengthens cultural connection, learning, bonding with customers and colleagues, and supports innovation
  • Current footprint sizes will remain steady, balancing social distancing’s relaxing of space density with less office space headcount demand in the new total workplace strategy

3. 新しい日常はトータル・ワークプレイス・エコシステム

• 場所はさまざま:職場はもはや単一の場所ではなく、利便性、機能性、ウェルビーイングをサポートする、さまざまな場所と体験のエコシステムになります
オフィスの新しい意味:オフィスの存在意義は、文化的なつながり、学び、顧客や同僚との絆を強化し、創造性と革新を育む刺激的な目的地を提供することになります

• オフィスは無くならない:オフィスの人員需要を減らしてソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)による密度の問題とのバランスをとることで、おそらく現在の拠点規模は影響を受けることはなく、オフィスは(新しい使われ方によって)支持され続けるでしょう

 

生産性について

テレワークを開始して「生産性が落ちた」という人がいます。

生産性が3分の1まで落ちた

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2006/18/news049.html

 

本当か?それって生産性じゃなくて効率性が落ちただけなんと違うか??城山はクッシュマンの記事に賛成で、「従業員はオフィスだけでなく、どこでも生産性を発揮できる」と思います。それはもちろんテレワークだけで生産性を発揮できるという意味ではなくて、オフィス、自宅、サードプレイスの間を行き来する「トータル・ワークプレイス・エコシステム(総合的な職場エコシステム」で働くことができれば生産性を発揮できるという意味です。 

ようは、オフィスがいいとかそういうことじゃなくて、どこでも働けますよ、ということですね。

 

コミュニケーションの促進

テレワークでコミュニケーションが減って不安、という声も聞きます。「対面で話す」機会が減ります。同僚の状況が分からず、不安に感じることもあるでしょう。 

でも、、、いままで良好なコミュニケーションが取れていたか??

セクハラパワハラはじめ、不良なコミュニケーションが多かったんじゃないですか?むしろコミュニケーションが減ってよかったんじゃないですか??

いまやzoomとかteamsとか、コミュニケーションツールはたくさんあります。簡単に言えば、強制的に在宅勤務となり、そういうツールの使用がもはや「一つの選択肢」ではなく「必須事項」であり、みんながそれらを最大限に使いこなさなければならない事態に追い込まれたってことですね。 

英語を使えるようになりたきゃ英語圏に行け、英語しか使えない環境に身を置け、というのと同じですね。

 

組織とのつながりが薄まり、OJTができない

会社に行かないので、組織に属しているっていう感覚は薄まりますね。それは確かに経営者側からしたら不安でしょう、優秀なひとがいなくなっちゃうのでは、今まで子飼いにしてた部下がいなくなるんじゃないか、とかですね。

また教育や若手育成もできません。伝統的日本企業はいままではOJTで育てることができましたが、それが真っ向から否定されます。

 

なんとなく結論めいたことを言うとすれば

働く場所の柔軟性と選択可能性の両方が加速しており、これはウィルスによる制限がたとえ緩和したとしても継続していきます。これには2つの明確な理由があります。
まず第1に、沢山の人達が企業は柔軟な労働方針を採用すべきであると考えていることです。第2に、ソーシャル・ディスタンシングは引き続き重要であり、テレワーク・リモートワークととオフィス勤務を交互に組み合わせることにより、オフィス内の人員を安全な範囲に保ち、また公共交通機関の混雑を抑えることを意味するからです。

今後企業は、オフィス勤務とリモート勤務の組み合わせ方式をサポートし、成功体験を底上げして課題を解決していかなきゃいけないってことですね。

 

おわりに

我々労働者にとってはさらに働きやすい環境がやってくるかもしれません。そして自分のやりたくないことはやらなくてもいい時代が来るかもしれません。

オフィスというのは、もはや働くだけの場所ではなく、利便性、機能性、ウェルビーイングを支える様々な役割を担うことになるかも。

そうすることで、働き方を再考し、場所、時間、テクノロジーを活用して、人、場所、ビジネスのパフォーマンスを向上させていくことが可能になるかもね。

 

では今日はこんなところで。