不動産鑑定士のブログ 〜坂の上の雲〜

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【デザイン思考】不動産鑑定士がゆるく語る1

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こんにちは、城山です。

 

突然ですが、みなさん、どのように仕事していますか?

 

ちょっと質問が漠然としていますね。

 

仕事とは、お客さんが欲しいものを売ったり貸したりして、

対価として、報酬としてお金をもらう、

というのが簡単な定義でしょうか。

 

では、みなさんは、

どうやってお客さんが欲しいものを生み出しているのでしょうか。

 

例えば不動産であれば、オフィスワーカーのために

オフィスを作る、有名店舗を誘致する。

 

旅行客や出張者のために、

ホテルを作る、休憩どころを作る、エステやプールを作る。

 

物販店舗のために、

物流倉庫を作る。

 

衣食住のために、

マンションを作る、レストランを作る、店舗を作る。

 

などでしょう。

 

でもこれらはすでに存在しているもので、

イノベーションはなかなかおこりません。



いまディベロッパー各社のホームページを覗いてみてください。

 

イノベーション

クリエイティブ

オープンイノベーション

リノベーション

●●テック

ex)リアルテック(不動産テック)

コワーキングスペース

スタートアップ

 

こんな横文字がたくさん並んでいます。

 

なぜでしょうか。

 

それは、ぶっちゃけ、どこのディベロッパーの開発も、

 

仕様が変わらないわけです。

 

天井高、トイレ、共用部、店舗構成、OAフロア、、、

高層ビル作って〜

下にはオフィスを設けて〜

その上に外資系高級ホテルを乗っけて〜

空いたところは緑化して〜

一応耐震性とかもちゃんとしておいて〜

 

どうでしょう。

 

コモディティ化しているわけですね。

どれも一緒です。

 

で、どうやって差別化・独自化していくか、

おっさんおばさんたちがアタマを絞っているわけです。

 

そこでたどり着いたのが、

うえのような横文字作戦で、

 

「うちは違うぞ!先進的だぞ!」

 

ということで、テナント誘致合戦を繰り広げているわけです。

 

「うちのオフィスに来ると、業績が上がりますよ!」というわけですね。

 

「なぜ業績が上がるかって?そらうちのオフィスに来ると、

社員みんながクリエイティブイノベーティブになるからですよ!」と笑。

 

オフィス変えただけで業績が急拡大したら、すごいことですよね。

 

でもおじさんおばさんたち本気なんです。

 

どうやったらイノベーションが起こせるか、本気で考えているんです。笑

 

じゃあどうやったらイノベーションが起こるのか。

 

どうやったら???

 

そこで思考停止するわけですね。

 

「え、と。。過ごしやすい環境を作ったら、人間は創造的になるんとちゃうの?」
「え?それだけじゃ創造的にならない?」
「(おい、なんか適当でもいいから答えておけよヒソヒソ。)」

 

そこでにわかに注目を浴びたのが、

「デザインシンキング」「デザイン思考」

です。

 

デザインシンキングに関連する書籍は多数出版されていますが、

代表的?と聞いた、「デザイン思考の道具箱」を読んでみました。

デザイン思考の道具箱: イノベーションを生む会社のつくり方 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

もしここで、デザイン思考に興味を持った人がいたとしたら、

 

デザイン思考とはなんぞや、ということで、ググってみますよね。笑

 

「デザイン思考」という言葉から何かイメージ湧きますか?

 

もっと言うと、言葉の構成がよくわからなくないですか?

 

【デザイン=感覚的なもの、外向きなもの、センスが大事】という感じで、

 

一方、

 

【思考=理論的なもの、内向きなもの、誰でもできること】って感じで。

 

なんかこう、相容れないというか

属性として真逆の言葉の組み合わせという感じじゃないですか?



グーグルの上位検索結果は、

「【やっぱりよくわからない】デザイン思考ってなに?」でしたね笑

 

デザイン思考を一言で言うと、

 

「“デザイン思考とは

不明確な問題を調査し、

情報を取得し、

知識を分析し、

設計や計画の分野でソリューションを選定するための方法およびプロセスを指す。”」

です。。

 

この定義についてだが、なぜあえて「デザイン」という枕詞が必要なのか。

シンプルに「思考」とか、

「仕事のやり方」とかじゃダメなのか。

なぜ「デザイン」「思考」なのかという疑問を持って、本を読みすすめました。



第1章の書き出しが

「デザイン思考という大きな嵐が先進国のビジネス世界を吹き荒れている。」

です。

ほんとでしょうか笑

 

まずは現代における多国籍企業の直面している問題、

つまり

知識と技術がコモディティ化し、

何か別の方法で競争力を維持していかなければならないことを指摘しています。

 

どこのディベロッパーのオフィスも同じ、というのと同じやつですね。

 

この問題解決方法が、「創造性を用いた経営」である、と。

 

創造性とは、

人の心をつかまえ、感動し、嬉しくなるプロダクトを生み出すことであり、

 

この創造性を経営の中心に据えた新しい戦略が

「デザイン戦略」であり、この背後にあるのが「デザイン思考」である。

 

ここでデザインという行為を一言で言うと、

「日常を相対化(他者の目で見る)したときに思いついたアイディアを具体化する」作業である。

 

つまりデザイン思考とは、

創造性と思いつき(想像力)と使ってイノベーションを起こす、

ということにまとめられました。

 

ついでGEとP&Gの例を列挙し具体的な説明を行っています。

 

まずGEについては、

環境破壊の権化であった自らが、

環境を浄化しながら利益を出す、

という会社のしくみを作り上げた、というのです。

 

これは、GEの経営者の悩みは

「環境を破壊する人として、消費者に嫌われていること」であり、

だったら好かれるようなビジネスをしてみよう

と発想転換したことから始まります。

 

すなわち、

トップがマネジャー達に直接指示し、

消費者の視点(他人の目)で日常を相対化し、

プロジェクトを立案(思いついたアイディアを具体化する)作業をやらせて、

上記に記載したデザインという行為を行ったわけです。



そこでは、

①観察②仮設構築③デザイン④市場での検証、

という4ステップを踏んだと簡単な説明が続きます。

 

次にP&Gの例です。

 

P&Gも売上が伸びず、

自ら消費者が何を考えているのか調査し商品開発しなければならない状態にあり、

そこでデザイン思考に注目したようです



P&Gはデザイナーを新たに数多く雇い、

古参の科学者を解雇し、

デザイナーが仕事しやすい組織整備を実施し、

彼らにプロトタイプを作らせ、

それが成功した、

というストーリーが語られます。

 

ここでの問題提起は、

「あれば便利な商品を作れば利益が出るのに、なぜ企業は作れないのか」

ということであり

回答は

「社内にデザイン思考する部署がない、クリエイティブな要素を評価する環境や制度がない(逆にそんな環境等があればイノベーションは生まれる?)」

でした。

ここらへんは、結構刺さりますね。笑

 

ここでの共通点は、

GEのようにトップがマネジャーに直接指示を与えるか、

P&Gのようにトップが新たな組織を組成するかの違いはあるものの、

 

経営者が率先して創造性に着目し、行動した

ということが説明されています。

 

経営者のみなさん、よーく聞いてください。

取り巻きに囲まれているだけではだめです。

 

知識がコモディティ化するなかで企業が発展を続けるためには、

創造的なデザイン思考を駆使した

イノベーションが必要ではないでしょうか、

というところで第一章は締めくくられます。

 

もしご興味があれば、ぜひ読んでみてください。