こんにちは、城山です。
経済学は、グラフを書きましょうね。
- BP曲線が右上がりになることの説明
- BP曲線が水平な理由=資本移動が完全な場合
- BP曲線が右上がりで、海外から資本流入増加した場合
- 自国が固定相場制で、海外から資金流入した場合
- 自国が変動相場制で、海外から資金流入した場合
BP曲線が右上がりになることの説明
BP曲線とは、
国際収支を均衡させる国民所得と利子率の組み合わせの軌跡。
国際収支=経常収支(輸出-輸入)+資本収支(資本流入-資本流出)
①まず、自国利子率rの上昇は、
海外からの自国への資本流入を促すため、
②資本収支は自国利子率の増加関数になる。
一方
①自国国民所得yの増加は、
自国の輸入水準の増加に伴う純輸出の減少
を通じて経常収支を悪化させるため、
②経常収支は自国国民所得の減少関数になる。
このことから、
国際間の資本移動が不完全な場合、
①自国利子率の上昇による資本収支の改善
(海外からの資本流入の増大)
を相殺するためには、
②自国国民所得の増加による経常収支の悪化(輸入の増大)が必要であるので、
③国際収支の均衡を示すBP曲線は
縦軸に自国利子率、横軸に自国国民所得
を取ったときに、
④右上がりの形状を取る。
逆は、
いま、初期時点において国際収支が均衡していたとして、
自国国民所得yが増大したとする。
→経常収支赤字により国際収支赤字
この国際収支赤字を解消し
再び均衡に戻すため、
自国利子率rの上昇により
資本収支の改善が必要。
BP曲線が水平な理由=資本移動が完全な場合
①国際間の資本移動が完全に自由
②資本移動に伴うリスクの問題を無視できる
国内利子率r1>海外利子率r2であれば、
海外から自国へ無限の資本流入が起こり、
資本収支は無限の黒字。
国内利子率r1<海外利子率r2であれば、
自国から海外へ無限の資本流出が起こり、
資本収支は無限の赤字。
従って、BP曲線は水平。
BP曲線が右上がりで、海外から資本流入増加した場合
①自国利子率及び自国国民所得一定の下で、
②資本収支を改善する方向に働く。
従って
①国際収支が再び均衡するためには、
②自国利子率の低下による資本収支の悪化、
または
③自国国民所得増加に伴う経常収支の悪化
が必要となる。
よって、海外から資本流入したら、
BP曲線は右下方にシフトする。
自国が固定相場制で、海外から資金流入した場合
①BP曲線が右下方にシフトする。
②このときE0点は移動前BPの上に位置しており、国際収支黒字状態。
③国際収支黒字=外国通貨の超過供給発生→
邦貨建てレート下落(自国通貨高)圧力。
自国固定相場制の場合、
①日銀は自国通貨の固定為替レートを維持するために、
②外国為替市場において外貨通貨買い&自国通貨売り介入実行
③自国名目貨幣供給量増加
④自国貨幣市場に超過供給
⑤LM曲線右シフト
また、自国利子率低下のより
①設備投資水準は資本流入前と比較し増加
さらに、自国国民所得増加によって
自国の輸入水準増加するため、
純輸出水準は資本流入前と比較し減少。
自国が変動相場制で、海外から資金流入した場合
国際収支=経常収支(輸出-輸入)+資本収支(資本流入-資本流出)
①BP曲線が右下方にシフトする。
②このときE0点は移動前BPの上に位置しており、国際収支黒字状態。
③国際収支黒字=外国通貨の超過供給発生
→邦貨建てレート下落(自国通貨高)。
自国変動相場制の場合、
①自国通貨高は輸出の減少・輸入の増加を通じ、純輸出減。
②IS曲線左シフト。
また、
①自国通貨高は純輸出の減少を通じて
経常収支悪化させ、
②国際収支悪化
したがって、再び国際収支を均衡させるためには、
①自国国民所得の減少による輸入水準の減少に伴う経常収支の改善、
②または自国利子率の上昇を通じた資本流入の増加による資本収支の改善が必要。
③よって、BP曲線を左にシフトさせることになる。
自国利子率低下により設備投資水準は
資本流入前と比較し増加。
自国国民所得減少により純輸出は増加するが、自国通貨高でトータルで純輸出は減少。