不動産鑑定士のブログ 〜坂の上の雲〜

更新頻度が比較的高い不動産鑑定士のブログです。ためになる情報を発信していきます(たまに下ネタも。)。

鑑定理論第五章のまとめ(その1)

こんにちは、城山です。

 

今日は第五章です。

その前に、

さいきんイケハヤという人が炎上しています。

まだ東京で消耗してるの? http://www.ikedahayato.com/

 

簡単に言うと、

社畜を脱するために、

インターネット上でサロンを作って、

「脱社畜を目指そう!」

「サラリーマンはクソだ!」

という啓蒙活動をしていたわけです。

 

たしかに、

独立したり、

好きなことをしよう、

ってかっこいいと思うし、

そうなりたいとも思います。

そうできればいいですよね。

 

でも、

大人しくマジメに勉強して、

サラリーマンとしての能力を高め、

安定した環境を獲得するのも

悪くないと思いますよ。

 

鑑定士になって、

安定した事務所に入って、

しっかりと生きていくことも

悪くないです。

 

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■第五章について

不動産の価格も諸行無常の響あり、

ゆく河の流れは絶えずして、、、

というやつなので、

 

いつ時点の値段を知りたいのか、

それはどういう条件で、

売りたいのか

買いたいのか

投資したいのか

処分したいのか

貸したいのか

借りたいのか

それちゃんと把握しとこうよ

というやつですね。

 

ただし、

このあたり基準が変更になって、

私が勉強していたときと、

若干変わってるんですよね。。

 

そのあたりはご容赦ください。

 

総論 第5章 - 不動産鑑定評価基準 暗記練習帳 http://kijun.fudosankanteishi.com/top/5

 

対象確定条件

対象不動産の確定に当たって

必要となる鑑定評価の条件を、

対象確定条件という。

 

対象確定条件は、

①対象不動産の所在/範囲等の物的事項及び

②対象不動産の所有権/賃借権等の

対象不動産の権利の態様に関する事項

を確定するために必要な条件である。

 

対象確定条件は、

①対象不動産に係る諸事項についての

調査/確認を行ったうえで、

②依頼目的に照らして

その条件の妥当性を検討しなければならない。

 

①不動産が土地のみの場合

又は土地及び建物等の結合により

構成されている場合において、

その状態を所与として

鑑定評価の対象とすること

 

②不動産が土地及び建物等の結合により

構成されている場合において、

その「土地のみを建物等が存しない独立のもの(更地)」

として鑑定評価の対象とすること

(この場合の鑑定評価を

独立鑑定評価という。)。

 

③不動産が土地及び建物等の結合により

構成されている場合において、

その状態を所与として、

その不動産の「構成部分」を

鑑定評価の対象とすること

(この場合の鑑定評価を

部分鑑定評価という。)。

 

④不動産の「併合又は分割」を前提として、

「併合後又は分割後」の不動産を

単独のものとして鑑定評価の対象とすること

(この場合の鑑定評価を

併合鑑定評価又は分割鑑定評価という。)。



②が必要なケースは、

建物取壊後の売買を目的とした場合の

取引価格の鑑定評価等

 

③が必要なケースは、

①建物等と一体として使用することが

合理的である場合(自建)における、

建付地の鑑定評価

②借地権付建物における借地権のみの

鑑定評価等

 

独立鑑定評価と部分鑑定評価の相違点

鑑定評価の対象

②は土地以外の構成部分は

その存在が無視され、

土地のみが鑑定評価の対象となる

 

③は複合不動産である状態が所与で、

その状態における対象不動産の構成部分が

鑑定評価対象となる。

 

想定要素

②は想定要素を含む

③は現状を所与とし、想定要素含まない

 

最有効使用との関係

②は更地としての鑑定評価を行うので、

当該宅地の最有効使用を

前提とした価格を求める

③は現状の所与の利用状況を前提とするため、

必ずしも当該宅地の最有効使用を前提としない

 

想定を含む対象確定条件は、

関係当事者及び第三者である投資家等の判断を

誤らせる可能性があるので、

そのような場合には、

想定を含む対象確定条件を行うべきでなく、

現状所与とする鑑定評価を行うべき。

 

 

基本的事項確定の必要性

不動産の鑑定評価にあたっては、

基本的事項として、

対象不動産/価格時点/価格又は賃料の種類

を確定しなければならない。

 

不動産の鑑定評価を行うに当たっては、まず

①鑑定評価の対象となる土地又は建物等を

物的に確認することのみならず、

②鑑定評価の対象となる

所有権及び所有権以外の権利

を確定する必要がある。

 

対象不動産の確定は、

①鑑定評価の対象を

明確に他の不動産と区別し、

特定することであり、

②それは鑑定士が

鑑定評価の依頼目的及び

条件に照応する対象不動産と、

③当該不動産の

現実の利用状況とを照合して確認する

という実践行為を経て、

④最終的に確定されるべきものである。

 

対象不動産の確定が必要な理由

不動産は、

①その物的な範囲等が可変的であり、また、

②所有権/賃借権等の権利の態様が

複合的・重層的で複雑な様相を呈している。

そのため、

③鑑定評価の対象となる範囲/権利が変わると、

③鑑定評価額も変化するため、

対象不動産の確定が必要である。

 

 

価格時点の確定が必要な理由

価格時点とは、

不動産の価格の判定の基準日である。

①不動産の価格を形成する価格形成要因は、

②時の経過により変化するものであり、

③価格時点が変わると

鑑定評価額も変化するため、

価格時点の確定が必要である。

 

価格又は賃料の確定が必要な理由

不動産の鑑定評価によって求める価格は、

基本的には正常価格であるが、

多様な不動産取引に即応し

社会的な需要に応ずるために、

鑑定評価の依頼目的及び条件に応じて、

限定特殊特定価格を求める場合があるので、

依頼目的及び条件に即して

価格の種類を適切に判断し、明確にすべき。

 

価格の種類が変わることにより、

鑑定評価額が変わる場合があるので、

価格の種類を確定する必要がある。

 

 

対象不動産の確認・必要性

 

対象不動産の確認とは

①「基本的事項の確定」により

確定された対象不動産が

②現実にその通り存在するかを

確認する作業をいう。

 

対象不動産の確認に当たっては、

①「基本的事項」により確定された

対象不動産について、

②その内容を明瞭にしなければならない。

 

対象不動産の確認は、

①対象不動産の物的確認/権利の態様の

確認に分けられ、

②実地調査/聴聞/公的資料の確認等により、

的確に行う必要がある。

 

不動産の鑑定評価にあたっては、

基本的事項として、

対象不動産/価格時点/価格又は賃料の種類

を確定しなければならない。

不動産の鑑定評価を行うに当たっては、まず

①鑑定評価の対象となる

土地又は建物等を

物的に確認することのみならず

②鑑定評価の対象となる 

所有権及び所有権以外の権利

を確定する必要がある。

 

対象不動産の確定は、

①鑑定評価の対象を

明確に他の不動産と区別し、

特定することであり、

②それは鑑定士が

鑑定評価の依頼目的及び条件に

照応する対象不動産と、

③当該不動産の

現実の利用状況とを照合して

確認するという実践行為を経て

④最終的に確定されるべきものである。

 

「確認」を省略してはならない理由

①依頼の受付に続く

基本的事項の確定においては、

②依頼者の提示した対象確定条件により、 

観念的に

対象不動産の範囲等が

確定されているに過ぎない。

 

対象不動産を最終的に確定するためには、

不動産鑑定士が、対象不動産について

②現実にその通り存在しているかを

確認する必要がある。

③観念的に確定された事項と、

確認した事項が一致して

④最終的に対象不動産が確定されるが、

⑤両者が一致しなければ

対象不動産の確定が出来ず

鑑定評価が出来ない。

 

したがって、

①対象不動産の確認は、

②適正な鑑定評価の前提となるもので、

③実地調査の上、閲覧、聴聞等を通じて的確に行うべきであり、

③いかなる場合においてもこの作業を省略してはならない。

④対象不動産の確認を行った結果が、

⑤依頼者から設定された対象確定条件と

相違する場合には、

⑥再度依頼者に説明の上、

対象確定条件の改定を求める等

適切な措置を講じなければならない。

 

不動産の鑑定評価を行う場合、

対象となる不動産は

①その範囲が可変的であり、

②権利の態様については所有権、

地上権等の物権のみならず

③外見上からは不分明な賃借権等の債権も

対象となり、

④これらが複合的に存在する等

その対象が複雑な様相を呈するため、

対象不動産の確定が必要となる。

 

不動産は、

①その物的な範囲等が可変的であり、

②所有権賃借権等の権利の態様が

複合的重層的で複雑な様相を呈している。

③そのため鑑定評価の対象となる

範囲や権利が変わると

④鑑定評価額も変化するため、

対象不動産の確定が必要である。

  

想定上の条件

対象確定条件により確定された

対象不動産について、 

鑑定評価に際しては、

①現実の地域要因個別的要因を所与

として不動産の価格を求めることのみでは、

②多様な不動産取引に即応することが出来ず、

しゃ③社会的需要に応ずることが出来ない場合があるので、

④依頼目的に応じ対象不動産に係る価格形成要因のうち

ちい⑤地域要因/個別的要因に想定上の条件を付加する場合があるが、

 

この場合には依頼により

付加する想定上の条件が、

①実現性

ⅰ依頼者との間で

条件付加に係る鑑定評価依頼契約上の合意があり、

ⅱ当該条件を実現するための

行為を行うものの事業遂行能力等を

勘案したうえで

ⅲ当該条件が実現する確実性が認められること

 

②合法性

公法上私法上の諸規制に反しないこと。

③「関係当事者及び第三者」の利益を

害する恐れがないか等

ⅰ依頼者及び鑑定評価の結果について

依頼者と密接な利害関係を有する者のほか、

 

ⅱ法律に義務付けられた

鑑定士による鑑定評価を踏まえ

不動産の生み出す収益を原資として

発行される証券の購入者、

 

ⅲ鑑定評価を踏まえ

設定された抵当権をもとに発行される

証券の購入者)

 

の観点から妥当なものでなければならない。

 

なお、想定上の条件を設定して

鑑定評価を行った場合、

鑑定評価報告書に

①想定上の条件について

それらが妥当なものであると判断した根拠

を明らかにするとともに、

②必要があると認められるときは、

当該条件が付加されない場合の

価格等の参考事項を記載すべきである。

また、

想定上の条件が

妥当性を欠くと認められる場合には、

依頼者に説明の上、

妥当な条件へ改定することが必要。

 

Ex)土壌汚染が存在し、「汚染の除去等の措置がなされたものとして」という条件付加

①ⅰ所有者や購入予定者等の

対象不動産の現況を変更する

権限を持つものに、

土壌汚染の除去等を行う意思や

着手の確認を行い、

依頼書や確認書等に

その旨を記載するものとする。

 

 ⅱ合わせてその変更を行う資力

があるかどうかを勘案

 

②土壌汚染対策法の規定による

要措置区域・形質変更時要届出区域

の指定等がなされている土地を含む場合、

汚染の除去等は法の手続きによって

行われることから、

当該条件付加は妥当性を欠く。

(有害物質・調査義務等も検討する。)

現状を所与とする鑑定評価を行うべき。

 

③依頼目的が担保評価や

三者への売却価格の参考とするための

鑑定評価の場合、

現況と異なる個別的要因を

前提とした鑑定評価を行うことによって、

対象不動産の価格に関する

関係当事者及び第三者の適切な判断を

誤らせる可能性を有しており

妥当性を欠く。

現状を所与とする鑑定評価を行うべき。

 

証券化対象不動産の鑑定評価においては、

投資家保護の観点から

土壌汚染の価格に与える影響についての

結論を求められるため、

当該条件設定は妥当性を欠く。

 

■おわりに

今日はここまで。

次回は価格や賃料の種類ですね。

 

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あなご