こんにちは、城山です。
はじめに
最近はリーシングの仕事にがっつりと取り組んでいるのですが、
その際
「もうすぐ民法も改正されるしね。」
という話になりました。
2020年4月1日に民法改正?
あの愛する民法の話でしょうか?
それが改正されるだと?
しかもどうやらリーシングに関わってくるだと?
さっそく調べてみた
ということで、こちらのサイトを読みました。
民法改正の不動産賃貸実務への影響と賃貸借契約書の見直し方法|咲くやこの花法律事務所 https://kigyobengo.com/media/useful/557.html
どうやら、不動産賃貸分野では、
4つのポイントをおさえれば
十分に対応ぽいです。
ここで、
民法改正に対応しないまま放置すると、
連帯保証についての契約条項が無効になったりするからやばいよ、
ということらしいです。
ポイント1:敷金返還や原状回復のルールが明確化された
ポイント2:契約書の変更が必要!連帯保証人についての極度額設定義務化について
ポイント3:事業用の賃貸は注意!連帯保証人への情報提供義務の新設について
ポイント4:連帯保証人からの問い合わせに対する家主の回答義務の新設について
このうち、特に「ポイント2」、「ポイント3」が重要のようで、
1は今までどおり、
4はやればできるかな、
みたいです。
連帯保証人についての極度額設定義務化について
おさえておきたいポイントは、
「連帯保証人について極度額の設定が義務付けられたという点」
です。(改正民法465条の2)
これは、
土地賃貸借契約書や建物賃貸借契約書の雛形の変更が必要になる重要なポイントです。
具体的には、
不動産賃貸借契約において連帯保証人を付けるときは、
必ず、契約締結時に極度額(連帯保証人の責任限度額)を定めなければならないらしいです。。
極度額を定めていない連帯保証条項は無効とされるだと・・・?
くそめんどくせえ!
連保人は全額債務保証しろよ!!!
条文変更
なんとこの改正により、賃貸借契約書で連帯保証人を付ける場合は、
契約書に極度額(連帯保証人の責任限度額)を記載することが必要です。
例えば以下のように記載することになります。
参考:民法改正後の連帯保証条項の記載例
第●条(連帯保証)
丙(連帯保証人)は、甲(賃貸人)に対し、乙(賃借人)が本契約上負担する一切の債務を極度額●●●万円の範囲内で連帯して保証する。
問題は極度額をいくらに設定するかは自由で、
オーナーと連帯保証人の間で合意した金額を自由に設定することになります。
実際の極度額設定は以下の
「(1)」、
「(2)」
の点を踏まえて決めるのがいいらしいです。
(1)家主側の立場からすると極度額は連帯保証人への請求限度額になりますので、多ければ多いほどよいです。
特に、悪質な滞納者の中には、滞納後も退去せず、裁判を起こして退去させなければならないケースもあります。
その場合、滞納発生から明け渡しまで1年半くらいかかることもあります。
その期間中の賃料を連帯保証人に請求できるようにしておくためには、極度額は「1年半の家賃額程度」あれば、安心でしょう。家賃10万円の物件なら極度額が180万円のイメージです。
ただし、敷金を預かっていない物件については家賃のほかに原状回復費用も連帯保証人に請求することも考えておく必要がありますので、1年半の家賃額に原状回復費用の見込み額を加算した額を極度額の目安と考えておくべきでしょう。
(2)一方で、極度額が高額になりすぎると、連帯保証人が尻込みし、連帯保証に応じないということもあるでしょう。
これらの2つの点を考慮して連帯保証人の極度額を設定することになります。
いやいやいや、、
全額でしょ。。
となると、どうやって契約書に明記すればいいんや????
連帯保証人への情報提供義務の新設について
店舗物件やオフィスの賃貸借など
「事業用の賃貸については、民法改正により、
新たに賃借人から連帯保証人に賃借人の財産状況などを情報提供することが義務付けられたいう点」
です。
具体的には、
事業用物件の不動産賃貸借契約で連帯保証人をつける場合は、
賃借人から連帯保証人に賃借人の財産状況等を情報提供することが義務付けられました。
(改正民法465条の10)
これは連帯保証人の候補者に対して、
連帯保証人を引き受けるにあたり、
賃借人にどの程度の財産があるかを把握する機会を与えることで、
連帯保証人を引き受けるかどうかについて十分な検討をさせようとするものです。
例えば、以下のようなケースが典型的な適用場面になります。
民法改正により賃借人から連帯保証人への情報提供が義務付けられる場面の例
ケース1:個人事業の飲食店が店舗を借りる場合に、事業主の家族を連帯保証人とするケース
ケース2:法人がオフィスを借りる場合に、連帯保証人をつけるケース
そして賃借人がこの情報提供を怠り、賃借人が連帯保証人に情報提供をしなかったことにより、連帯保証人が賃借人の財産状況等を誤解して連帯保証人になることを承諾した場合で、かつ家主が賃借人が情報提供義務を果たしていないことについて知っていたりあるいは知らないことに過失があった場合は、連帯保証人は連帯保証契約を取り消すことができるとされています。(改正民法465条の10)
このように
賃借人が連帯保証人への情報提供義務を果たしていない場合、家主としても連帯保証人から連帯保証契約を取り消され、滞納家賃等を連帯保証人に請求できなくなる
という重大な問題が起こりますので注意が必要です。
そして、賃借人から連帯保証人への情報提供が義務付けられた項目は以下の通りです。
賃借人から連帯保証人への情報提供が義務付けられた項目
項目1:賃借人の財産状況
項目2:賃借人の収支の状況
項目3:賃借人が賃貸借契約の他に負担している債務の有無並びにその額
項目4:賃借人が賃貸借契約の他に負担している債務がある場合、その支払状況
項目5:賃借人が家主に保証金などの担保を提供するときはその事実および担保提供の内容
民法改正後は、事業用の賃貸借については、
これらの「5項目」について、賃貸借契約書に記載欄を設けて、賃借人に記入させた後で、連帯保証人に署名、捺印を求める
ことで、賃借人に連帯保証人への情報提供義務を確実に果たさせることが必要になるでしょう。
なお、この賃借人から連帯保証人への情報提供義務のルールは、事業用の賃貸のみが対象であり、一般の住宅の賃貸には適用されません。
めちゃめちゃめんどくさいやん。
これって、テナント側の負担が増えますよね。
オーナーは連保人付けてほしいけど、
つけるとなると限度額設定が必要で、
しかもテナントから連保人へ情報公開が必要・・・
となると、連保人をやめて家賃保証会社がもうかるんとちゃうか??
とおもったら書いてありました。
民法改正が家賃保証会社にもたらす影響について
今回の民法改正で家賃保証会社の利用が増えるのではないかということが言われています。
その理由は以下の通りです。
家賃保証会社の利用が増えると予想される理由
理由1:民法改正により連帯保証人に極度額を設定することが必要になりますが、連帯保証人が極度額に抵抗を示し、連帯保証人をつけることが難しくなるケースが増えると思われます。
理由2:民法改正により事業用の賃貸借では、賃借人は連帯保証人に自分の財産状況等の情報提供をすることが義務付けられましたが、賃借人がこれに抵抗を示し、連帯保証人をつけることを嫌がるケースが増えると思われます。
以上の2つの問題点は、家賃保証会社を利用することで解決することが可能です。
なぜなら、民法改正では、法人を保証人にするケースついては、「ポイント2」でご説明した極度額設定義務も、「ポイント3」でご説明した賃借人から連帯保証人への情報提供義務も適用されないと定めているためです。
そのため、家賃保証会社を利用するかわりに連帯保証人をつけないケースでは、極度額の設定は不要ですし、賃借人の財産状況についての連帯保証人への情報提供も必要ありません。
このようなことから、民法改正後は家賃保証会社の利用を検討するケースが増えることが予想されています。
だれがロビー活動したんや!?!?
おわりに
民法勉強時は、
という認識でしたが、
このたび120年ぶり?の改正です。
たぶん、数年のうちに民法の試験で出題される
のではないでしょうか。
詳しくは公文先生とか山口先生に聞いてみて下さい。
あ、山口先生はもうT●Cにはいないのかな?笑