不動産鑑定士のブログ 〜坂の上の雲〜

更新頻度が比較的高い不動産鑑定士のブログです。ためになる情報を発信していきます(たまに下ネタも。)。

物件売買時、テナントに何も言わなくてもいい理由

こんにちは、城山です。

 

時代も令和ですね。

さて令和になって、なにか変わりましたか?

 

あなたは受験生のまま、何も変わっていないはずです。

変わるためにはどうするか。

 

勉強するしかありませんね。

 

今日は民法です。

 

物件売買時、一応テナントに、

「物件の所有者が変わりましたー」

「来月から賃料はこっちに振り込んでねー」

のような通知をします。

 

「通知」であって、

テナントからの「承諾」を得る必要はありません。

 

それでも「承諾を取ってこい」という人もいますが。。

 

理由は次のとおりです。

 

賃貸人の地位の移転

問題提起

①賃貸借契約の目的物が譲渡された場合、

②賃貸借目的物の譲渡当事者の合意や賃借人の承諾がなくても、

③当然に賃貸人の地位が賃貸借目的物の譲受人に移転するかが問題。

 

結論

①賃借人が賃借権の対抗要件を備えている場合には、

②特段の事情がない限り肯定してよいと考える。

 

理由

なぜなら、

①このように解することが譲渡当事者の通常の意思に合致し、

②賃貸借の継続を望む賃借人の利益にもなるから。

 

対抗要件

(不動産賃貸借の対抗力) 605条 登記したとき

(建物賃貸借の対抗力等)第31条 登記がなくても、建物の引渡しがあったとき

(借地権の対抗力等)第10条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するとき


他の受験生と差をつける論述

賃貸目的物の譲受人が、賃借人に対し、賃貸人の地位を主張するための要件

①債権譲渡の対抗要件(譲渡人からの通知、債務者の承諾)を要求する説もあるが、

②私は登記を要求すべきと考える。

確かに、

①賃貸目的物の新所有者が賃貸人の地位を主張する場合は、

②物的支配を争うという本来の177条対抗要件は存在していない。

 

しかし、

①登記要求により

②賃借人は誰が新所有者かを明確に知りうるし、

 

また

③賃貸目的物が二重譲渡された場合に

③賃借人の立場を確実にすることが出来る。

従って、

不動産物件が移転したという事実の確実な証明としての登記が必要であると解する。


おわりに

売買時、必ず登記移転しますよね。

登記さえてしておけば、

テナントからの承諾がなくても、

買主、新所有者、譲受人として認められるよ、

というお話でした。

 

では。

 

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