不動産鑑定士のブログ 〜坂の上の雲〜

更新頻度が比較的高い不動産鑑定士のブログです。ためになる情報を発信していきます(たまに下ネタも。)。

AM会社のしごと(カルロス・ゴーンとファンドのルール)

こんにちは、城山です。

三連休いかがお過ごしでしょうか。

 

 

3回に1回くらい書いていますが、

不動産鑑定士多しと言えど、

不動産ファンド

その仕組

ファイナンス

ボンド

IPO

PO

アクイジション

エグジット

アセットマネジメント

私ほどAMのすべてを経験し、

精通している不動産鑑定士はいないでしょう。

 

今回は、

派手ではないけど重要な仕事、

ディスクロージャーです。

つまり情報公開ですね。

 

■情報開示

世の中には、

自分の言いたいことだけ言って、

本当に伝えなきゃいけないことを隠す人がいます。

 

世間では、

カルロス・ゴーンさんが「容疑者」として、

有価証券報告書に自身の報酬を虚偽記載していたということで、

まさに

「言いたいことだけ言って、隠したいことは言わない。」

という対応になってしまっています。

 

あんなに報酬もらってて、

虚偽記載する必要なんてないと思いますが、

ほんとに悪いことしてたんですかねぇ。。。

 

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ファンドは、

投資家からのお金を預かっている以上、

法律で定められた情報を開示する必要があります。

 

日本ビルファンド投資法人などのREITは、

だいたい「IRライブラリ」ページを作っています。

 

日本ビルファンド投資法人|IR情報 |IRライブラリ

https://www.nbf-m.com/nbf/ir/library.html

 

私はファイナンス担当者として、

ファンドが行う適時開示資料を

シコシコと作成していました。

 

有価証券報告書も何度も作りましたが、

社長の報酬を意図的に書き換える、

過小に計上する、

過小に申告する、

 

そんなことできるはずがなかったです。

 

できるとしたら、

監査法人の会計士を騙す必要がありますが、

監査法人を騙すなんて、ほぼ不可能です。

 

日産の監査法人は、EY新日本監査法人です。

 

・・・EYですか。

このマークを見たことがある人もいるでしょう。

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■EYは問題続き

EYといえば、下記企業の監査法人です。

JAL
オリンパス
カネボウ
東芝
スルガ

 

また日産でやっちまった感じですね。

 

■法定開示書類の作成 

これは、ディスクロージャー専門の、

こんな会社さんと一緒にやっていく仕事です。

 

宝印刷 | ディスクロージャーのパイオニア https://www.takara-print.co.jp/

株式会社プロネクサス https://www.pronexus.co.jp/

 

彼らは慣れているので、

従っておけば大丈夫です。

 

でもこの資料を作る作業は、

本当にいい経験でした。

 

必要な、知りたい情報が、

どこにどのように書いてあるかがわかると、

仕事がはかどります。

 

ファンドをやっていくうえで必要な知識です。

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■情報処理能力

ファンドを運営していく上で、

他のファンドはどうしているか、

ということは上司から必ず聞かれます。

 

他のファンドはどうしているかを

どうやって調べるか?

 

法定開示書類を調べます。

 

法定開示書類はどこにあって、

どの法定開示書類を調べればいいのか、

知りたい情報がどこに書いてあるか、

城山は法定開示書類を作っていたので、

だいたい把握できています。

 

ぜひ作成作業に携わってみてください。

その知識と経験は重宝がられるはずです。

 

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■プレスリリース

上場していると、例えば

・お金を借りたとき

・不動産を売買したとき

・社長が交代したとき

プレスリリースする必要があります。

 

そんなときは東京証券取引所の担当官と、

プレスリリースの文面について

「この内容はなに?」

みたいな感じで電話がかかってきます。

 

お金を借りると

「資金繰り大丈夫?借入の目的は?」

 

不動産を買う(売る)と、

「売主(買主)はだれ?」

 

ここも、

「自分が言いたいことだけ言ってんじゃねーぞ」

という確認ですね。

ここは、鑑定士だからって容赦はありません。

 

ほんとーに、世間には、

「自分の言いたいことだけ言う」人が

たくさんいます。

 

みなさんの頭にも、

ふと誰かの顔が思い浮かぶのではないでしょうか。

 

株主総会

 みなさんのなかで株主総会の仕事をしたことがある人は、

それほど多くはないのではないでしょうか。

 

ファンドにも投資家がいる以上、

株主総会を開催する必要があります。

 

たくさん株を持ってくれている投資家には、

決算ごとに直接説明に行きますが、

個人投資家、1口だけ持っているという人たち向けには

直接説明はなかなか難しいです。

 

そこで、2年に1回株主総会を開催します。

株主総会では、

・ファンドのボスの任期継続orクビ

・ファンドの規約の変更

が大きな議案です。

 

ここで、なぜか城山は司会業をやっていました笑

 

「投資家の皆様、本日はご来場頂き誠にありがとうございます。

あと5分で総会を開会致します。」

 

壇上に座ってこんなことを言います。

 

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■規約の改定

ファンド関連の法律は結構改正されるので、

これに対応した規約の変更を行う必要があります。

 

今はかなり慣れましたが、

当時はドキュメンテーション作業の経験が乏しくて、

相当悩みました。

 

法律の読み方も苦手だったし、

日々トレーニングでした。

 

■想定問答集

議題の説明が一通り終わると、

議決する前に、

質問タイムです。

 

この質問タイムのために、

想定問答集を作成します。

 

これもなかなかめんどくさい作業です。

 

ただし、

この作業を進めることで、

自身のファンドの内容を

より深く広く勉強することができました。

 

また、

自身のファンドの内容を深く知ることで、

他のファンドがなぜこのような投資活動をしているのか、

理由がわかってきました。

 

株主総会は、

ほぼすべての事業会社が行う大切な行事です。

 

想定問答集を作るとか、

自身の会社を株主に説明する、

一度くらい経験してもよい仕事ではないでしょうか。

 

■外部加入団体

ファンドは、周りの人たちに守ってもらうために、

外部団体に加入しているものです。

たとえば、

投信協会やARESですね。

 

投資信託協会 - 投資信託協会 https://www.toushin.or.jp/

 

不動産証券化協会 - ARES - https://www.ares.or.jp/imgs/img-mv03.jpg

 

 

この人たちは、

ファンドをいろいろと調査していて、

市場の安定や、

株主保護、

ファンドが悪いことしないように見張る、

いろいろな仕事があるようなので、

「調査のお願い」

などがあります。

 

立入検査とかもあります。

ガバナンスが聞いていて、

正しく職務執行できているか確認します。

 

■おわりに

 行楽シーズンですね。

こんな小難しいブログ読まずに笑、

旅行へ行っている人がたくさんいるでしょう。

 

だいたいファイナンス担当者時代の話は書けたので、

次回からは、

自身がファンドで投資や資産運用を

していたころの話です。

 

 

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