不動産鑑定士のブログ 〜坂の上の雲〜

更新頻度が比較的高い不動産鑑定士のブログです。ためになる情報を発信していきます(たまに下ネタも。)。

最新の鑑定評価手法を聞いてきた。

こんにちは、城山です。

 

昨日は新進気鋭の不動産鑑定士先生で集合し、

最新の鑑定業界について語り合ってきました。

 

不動産鑑定士試験勉強中のあなたにも、

地方で鑑定をやっている先生にも聞かせてあげたい、

とっても刺激的な内容でした。

 

世の中に価値を提供している、

本当に素晴らしい先生達です。

 

 

不動産テック

 

RPAって知ってますか?

 

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは?基本から導入の進め方までまとめて解説 | RPA 国内シェアNo.1 「WinActor(ウィンアクター)」|NTTデータ公式サイト https://winactor.com/column/about_rpa

 

寝てる間に、鑑定評価書を、

なんと自動的に書いてくれて、

データを揃えてくれて、

きれいに整えてくれるのです!

 

もう鑑定士先生は不要です。笑

 

海外のバリエーション

スペインのCBREチームが先進的だそうです。

現地の情報開示がかなり進んでいて、

住所入れるだけで、あらゆるデータが集まり、

鑑定評価ができるそうです。

 

賃料、価格、人口、取引事例

そしてデータの誤差率も出るそうです。

ただし、 バリエーションの中心は戸建てが多く、

収益不動産はそれほど多くないらしいです。

 

 大手の鑑定事務所でも、

RPAを導入し、費用は月12万円、

データを打ち込むバイトを1人雇うより

安価ですね。

しかも間違えない、優秀。

 

シンガポールのバリエーションチームも

こんな感じだそうです。

 

情報開示が日本はまじで遅れている。

リアルキャピタルアナリティクス トランザクション トレンド ツール https://www.rcanalytics.com/

 

アメリカで急進する不動産検索サイト「Zillow」とは? https://mansion-market.com/sapuri/america_realestate_service/

 

Zillow: Real Estate, Apartments, Mortgages & Home Values https://www.zillow.com/

 

マーケット分析

不動研マップというのがあるらしいのですが、

グーグルマップは商用利用禁止です。

 

そこで、これの出番です。

マーケットプラットフォーム 商圏情報の取得ならMakePla |ZGI - GISマーケティングの株式会社ZGI https://zgi.co.jp/makepla/

 

ライフスタイル、店舗、消費支出、年代、世帯数、年収分布がすべてわかります。

 

1000万円の人がたくさん住んでいる街

こそ、百均ショップが流行るらしい!など。

 

ホテルのADRもAIが設定を始める時代が来るかも?

 

東京カンテイさんがが、ZGIと組んで、

新たな情報提供、データ提供を検討しているらしいです。

 

アメリカのデータ会社

細分化されたマーケットごとに、

賃料水準、空室率、、、すべて出る。

基礎となるデータベースがあればどんなマーケットでも可能

だそうです。

 

前々から言われていたことだが、

海外と比べて、日本は不動産マーケット情報の開示について、

レベルが低いですね。

 

TOREIT 東急不動産J-REITシステム https://tlc-jreit.com/

 

Gate. – 不動産テック案内所 https://retnet.jp/service/gate/

鑑定士のしごとが変わる

 

 

鑑定士の役割は?

 IOTが鑑定評価まで全部やってくれます。

鑑定士が鑑定評価をする必要がなくなります。

ではその役割は。。

 

検収する、さらに説明、

そうやって付加価値をつけていくしかないです。

 

理由を的確に説明、根拠、こまったときの対処方法。

 

いままでの鑑定評価が好きだった人からしたら

怒られるかもですが、

鑑定評価がつまんないって

若い人に言われています。

 

 

細かい作業が好きならいいけど、

いまのカンテイなら、

だれでもでもできますね。

つまんない。

 

また、鑑定業界はバカばっか、

という意見もあります。

 

バカというのは極端ですが、

8割のひとは、「鑑定評価しかできない」

2割のひとは、「鑑定評価はもちろんさらに付加価値がつけられる」ですね。

 

鑑定業界をぶっつぶさないといけないくらい、

鑑定業界は終わってる、とのことです。

 

鑑定の叡智を駆使して、

バブルを防ぐ、良好な投資環境確保、、、

などあったようですが、

 

いまではただの幻想ようです。

 

鑑定評価のしごとの7割は、

おばさんでもできます。

 

残りの3割は、プレゼンとかですかね。

 

7割以上をRPAができるようになると、、、

マジで鑑定士は食えなくなります。

 

REITからの報酬も、

実需じゃないですよね。

「半期に1回」という

制度上の売上でしかないですよね。

 

BIM-FM PLATFORM by STARTS https://bim-fm.starts.co.jp/

 

これで建物分析ができるけど、

こういう知識を得ても、

鑑定士が価格形成要因に反映できない、

と言われています。

 

大手ディベロッパーは、

BIMで設計しているが、

鑑定士が解析できないのです。

 

専用のビジュアライザーが必要とか、

CADとの相性もあまりよくない、

というのもありますが。。

 

鑑定士の鑑定は、

鑑定理論は正しい、

ただ使い手たる鑑定士がよくない。

悪しき伝統が問題

鑑定士に逃げ道を与えすぎているのかも

ですね。

 

耐用年数15年ってどういうことよ?

木造15年ってどういうことよ?

そもそも耐用年数ってなによ?

って説明できるならいいですけどね。

 

城山はできません。

 

100年住宅なのに、

木造ってだけで15年です。

 

また、

収益還元法と原価法で、価格が乖離することがありますが、

なんでこんなに価格が違うの?

違うわけないじゃん?

と思うこともあります。

 

鑑定士の限界

情報量が豊富だが、それを使いこなせないのです。

どんな情報があったって、

不動産そのものがIT化しているにもかかわらず、鑑定士がIOT化していない。

 

すべての産業にIOTが入ってきています。

鑑定もインフラだから自然の流れで対応すべきです。

 

弁護士はIOT化進んだそうです。

判例のデータベース化などですね。

 

抜本的にシフトしないといけません。

未だに取引事例をもらうめだけに出張している人もいますね。

やめましょう。

 

不動産を扱う人たちが変わらないと、

業界は変わりません。

 

 

公示はがん

公示を下げると固定資産税が下がります。

だから地方は公示価格を下げないそうです。

 

鑑定士は役人に「来年も公示やらせてね。」

ごますりして終わり、、

 

これはクソですね。

 

海外投資家アンケート

情報開示があまりにも進んでない日本です。

これが進むと、鑑定業界が変わるかもしれません。

 

でも、情報開示が進むと、、、

 

まじて鑑定する必要がなくなる。

 

鑑定がなくなる。。

 

 

おわりに

このあと、

新進気鋭の鑑定士の先生たちと

飲みに行ったのですが、

それはそれは楽しい時間でした。

 

きっとこの先生たちが、

未来の鑑定業界を

切り開いていってくれることは

間違いありません。

 

またレポートします。