不動産鑑定士のブログ 〜坂の上の雲〜

更新頻度が比較的高い不動産鑑定士のブログです。ためになる情報を発信していきます(たまに下ネタも。)。

【第348回】オフィス不要論を考えると恐ろしくて夜も眠れない。その2

こんにちは、城山です。

 

前回の続きです。

 

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はじめに

【なんとかしてオフィス必要論を展開したいのですが、どうしても現段階では「オフィスが必要だ!」と強く言うことができません。】と言って前回は終わりました。

オフィステナントが今後何を言ってくるか、予想してみましょう

 

テナントからの要望

まずは賃料減額ですね。これは確実に言ってくるでしょう。またはレントホリデーとかフリーレントの延長ですね。いつの世も行ってくることは同じです。

  • 賃料減額
  • フリーレント
  • レントホリデー

の三点セットですね。

 

テナントが言いそう・やりそうなこと

多分テレワークやリモートワークは継続するでしょうし、そのためのIT環境整備も進めるでしょう。なかにはもちろんオフィス面積の縮小や一部解約、分散とかもあるでしょうねー。多分、テレワークやリモートワークで痛勤から開放されて従業員の満足度って高まったんじゃないかなと思うんですよ。でもメリットというとそれくらいで、生産性はどうかっていうとあんまり上がってない、むしろ下がったとか言ってくると思います。

  • 同僚とコミュニケーションが取れない、
  • 捺印が面倒、
  • テレワークでちゃんと評価されるのか(対面でゴマすりして昇格したような人は特に)
  • ペーパーレスしてなかったから困る、
  • 顧客とコミュニケーションが取れない、
  • サイバーセキュリティが不安、
  • そもそも自宅にwifiがなくて困る、

とかですね。と言いつつ、

正直今後どうなっていくのか、誰もわからないというのが現実ではないでしょうか。誰もわからないという状態が気持ち悪いから、みんな予想をするわけですが・・・。

だって、オフィスの縮小可能性、とか言いながら、ソーシャルディスタンスが必要だからオフィス拡張ニーズが顕在化する可能性だってあるわけですよね。誰もわからないですよね。だからしばらくは様子見じゃないでしょうか。

 

我々不動産鑑定士は、予測の原則を使いましょう。

財の価格は、その財の将来の収益性等についての予測を反映して定まる。 
不動産の価格も、価格形成要因の変動についての市場参加者による予測によって左右される。

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オフィス市場参加者が重視する要因

ざっと要因をあげると、こんな感じでしょうか。

  • 交通利便性
  • コスト(賃料、水道光熱費、管理費等)
  • ビルグレード
  • 耐震性
  • 快適性(空調等)
  • 立地(業務集積度)

オフィスを探すとき、どれも大事だとは思いますか、 いままでは「立地」「交通利便性」が大きく重視されていたでしょう。

今後リモートワーク・テレワークが進めば、丸の内大手町じゃなくて、分散する傾向が出てくることを踏まえると、「快適性(衛生面)」「コスト(立地を問わず、広い面積を安く借りる)」が最重要になってくるのかもしれませんね。

今までみんなが汗をカキカキ千代田区港区中央区に通勤していたのが、「川崎」「三鷹」「松戸」「西船橋」、東京駅から20kmくらい離れたところにフレキシブルオフィスをたくさん作れば、もしかしたら稼働が上がるかもしれません。

いままでの職住近接というと、

  • 港区に会社のオフィスがあったら港区に住む、

だったのが、

みたいな感じでしょうね。

  

 今後確実なこと

今後確実なのは、リモートワーク環境の整備が進むことではないでしょうか。

上にも書きましたけど、たぶん、緊急事態宣言で、強制的にテレワーク・リモートワークを実施した企業がたくさんあると思うんです。さらに今後テレワーク・リモートワークが定着する可能性が高いことを踏まえると、環境整備は進むでしょうね。

これから人類はウィルス対策をしなければならないのは世界共通ですが、我が国ニッポンは『震災大国』です。特に首都直下型地震なんて来ちゃったら泣きっ面に蜂です。リモートワーク・テレワークを採用し、BCPは進めていいかなきゃいけない事項です。

 

おわりに

次回は、コロナ禍で、よりデジタル環境に慣れた人、逆にリアルが欲しくなった人、両方いるんじゃないかというお話です。言い換えれば、慎重派と、どんどん外出したい人に分かれます。そしてそれは、新しい世界が来て欲しい人と、以前の生活が戻ってほしいという人にも分かれているかもしれません。