こんにちは、城山です。
今日は第四章です。
■鑑定理論を一言で
鑑定理論ですが、
一言でいうとこんな感じですよね。
第一章は、
不動産鑑定士とは一体何者なのかを説明し、
第二章は、
わかりやすく理解するために不動産を分類し、
第三章は、
価格はここで決まる!という不動産の要因を説明し、
第四章は、
価格の高いor安いには、なんと法則性がある!
鑑定理論って、なんにでも応用できると思うんですよ。
例えばマーケティング。
マーケットの分類すなわち2章、
マーケット分析すなわち3章と6章、
マーケット評価すなわち7章、
マーケット調査方法すなわち8章、
レポート作成方法すなわち9章、
鑑定評価がマーケティング作業に近いというのもありますが、
仕事ってなんでも同じ
ではないでしょうか。
これを暗記した皆さんは怖いものなしです。
では行きましょう。
第四章が聞かれたら、
とりあえず「前文」を書いて
字数を稼ぎ、
スペースを埋めましょう。
結果的に点数が稼げます。
それが
「守りの答案」
というものです。
■不動産の価格に関する諸原則前文
不動産の価格は、
①不動産の効用
②相対的希少性
③不動産に対する有効需要
の三者に影響を与える諸要因の相互作用によって形成されるが、
①その価格形成過程を考察するとき、
そこに基本的な法則性を認めることが出来る。
②不動産の鑑定評価は、
その不動産の価格形成過程を追及し、
分析することを本質とするものであるから、
③不動産の経済価値に関する適切な最終判断に到達するためには、
④鑑定評価に必要な指針としてこれらの法則性を認識し、かつ、
⑤これらを具体的に現した
不動産の価格に関する諸原則を活用すべきである。
これらの原則は、
①一般の経済法則に基礎を置くものであるが、
②鑑定評価の立場からこれを認識し、
表現したものである。
なお、
これらの原則は、
孤立しているものではなく、
直接的又は間接的に
相互に関連しているものであることに
留意しなければならない。
■最有効使用
不動産の価格は、
その不動産の効用が
最高度に発揮される可能性に最も富む使用(最有効使用)
を前提として把握される価格を標準として形成される。
この場合の最有効使用は、
現実の社会経済情勢の下で客観的に見て、
良識と通常の使用能力をもつ人による
合理的かつ合法的な
最高最善の使用方法に基づくものである。
不動産、
特に土地は用途の多様性という人文的特性を有するため、
同一の不動産について
異なった使用方法を前提とする需要が競合する。
需要者の間に競争が生じる結果、
最も高い価格を提示できる者がその不動産を取得できるが、
合理的な市場においてそのような価格を提示できるのは、
当該不動産を利用することによる効用が最大となる使用方法、
つまり、
最有効使用を前提とした場合に限られる。
したがって、
不動産の価格は最有効使用を前提とした場合である。
なお
①ある不動産についての現実の使用方法は、
②必ずしも最有効使用に基づいているものではなく、
③不合理な又は個人的な事情による使用方法のために、
④当該不動産が十分な効用を発揮していない場合があることに留意する。
■変動の原則
変動の原則とは
一般に財の価格は、
その価格を形成する要因の変化に伴って変動する。
不動産の価格も、
多数の価格形成要因の相互因果関係の
組み合わせの流れである変動の過程
において形成される。
不動産の価格は常に変動の過程にあるため、
不動産の鑑定評価に当っては、
価格時点を確定することが必要である。
また、
不動産の利用形態が最適なものであるか、
仮に現在最適なものであっても、
時の経過に伴ってこれを持続できるかどうか、
これらは常に検討されなければならない。
①財の価格は、
その財の将来の収益性等についての
予測を反映して定まる。
②不動産の価格も、
価格形成要因の変動についての
市場参加者による予測によって左右される。
したがって、
①不動産の鑑定評価にあたっては、
②価格形成要因がどのように変化するかについて
③的確に予測しなければならない。
このためには
①常に価格形成要因の変動に注意を払う必要があり、
②この推移および動向を分析しなければならない。
価格時点と標準的使用と変動の原則
一般に財の価格は、
その価格を形成する要因の変化に伴って変動する。
不動産の価格も、
多数の価格形成要因の相互因果関係の
組み合わせの流れである変動の過程において形成される。
不動産の価格は常に変動の過程にあるため、
不動産の鑑定評価に当たっては、
価格時点を確定することが必要である。
また、
不動産の利用形態が最適なものであるか、
仮に現在最適なものであっても、
時の経過に伴ってこれを持続できるかどうか、
これらは常に検討されなければならない。
なお、
①不動産の属する地域は固定的なものではなく、
②地域の特性を形成する地域要因も
常に変動するものであることから、
③地域分析にあたっては、
④対象不動産に係る市場の特性の把握の結果を
踏まえて地域要因及び標準的使用の
⑤現状と将来の動向を合わせて分析し、
⑥標準的使用を判定しなければならない。
■代替の原則
不動産の価格は、
不動産の効用
相対的希少性
不動産に対する有効需要
の三者に影響を与える諸要因の
相互作用によって形成されるが、
①その価格形成過程を考察するとき、
そこに基本的な法則性を認めることが出来る。
②不動産の鑑定評価は、
その価格形成過程を追及し、
分析することを本質とするものであるから、
③不動産の経済価値に関する適切な最終判断に到達するためには、
④鑑定評価に必要な指針としてこれらの法則性を認識し、かつ、
⑤これらを具体的に現した諸原則を活用すべきである。
①代替性を有する二以上の財が存在する場合には、
これらの財の価格は相互に影響を及ぼして定まる。
②不動産の価格も、
代替可能な他の不動産又は財の価格と
相互に関連して形成される。
■均衡の原則と適合の原則
均衡の原則と適合の原則の関係
均衡の原則は、
「建物と敷地の規模の対応関係」等、
不動産の内部構成要素の均衡状態に、
適合の原則は、
「建物とその環境の適合の状態」等、
不動産とその外部環境との適合状態に、
それぞれ着目した原則である。
不動産は、
内部構成要素の均衡が取れており、
周辺環境にも適合している場合に、
その効用が最高度に発揮されるため、
均衡の原則・適合の原則は、ともに
対象不動産の最有効使用を判定するための有力な指針
といえる。
個別分析における均衡の原則の活用
土地に関する個別的要因とは、
当該土地の属する地域における
標準的使用を前提とする土地の価格水準に比し、
個別的な差異を生じさせる要因である。
したがって、
土地についての個別分析に当たっては、
「均衡の原則」を活用し、
地域の標準的な土地の規模、形状等と比較して
対象不動産は均衡を得ているかを分析する必要がある。
建物についての個別分析に当たっても、
「均衡の原則」を活用し、
建物の規模、間取りや設備の配置等が
均衡を得ているかを分析する必要がある。
対象不動産が建物及びその敷地である場合、
現況の建物が敷地の効用を十分に生かしているか否かが、
いわゆる建付減価の有無や
最有効使用の内容を左右するので、
「適合の原則」を活用し、
敷地内における建物、駐車場、通路、庭等の配置、建物と敷地の規模の対応関係等
建物等と敷地との適応の状態に
ついて分析する必要がある。
個別分析における適合の原則の活用
個々の不動産の最有効使用は、
一般に近隣地域の地域の特性の制約下にあるので、
個別分析に当たっては、
特に近隣地域に存する不動産の
標準的使用との相互関係を明らかにし判定すること
が必要である。
したがって、
土地の個別分析に当たっては、
「適合の原則」を活用し、
周辺地域との適合の状態に留意して
最有効使用の建物の用途等を判定する必要がある。
対象不動産が建物及びその敷地である場合、
現況の建物の用途等と周辺環境との適合の状態
について分析する必要があり、
不適合の状態が著しい場合には
「用途変更」や「現況建物の取壊し」が
最有効使用と判定されることもある。
なお、
例えば戸建住宅地域における大規模マンション適地のように、
対象不動産の位置、規模、環境等によっては、
標準的使用の用途と異なる用途の可能性が考えられるので、
こうした場合には、
それぞれの用途に対応した個別的要因の分析
を行ったうえで最有効使用を判定することが必要。
これは、対象不動産の使用方法は、
地域の標準的使用と完全に一致しなくとも
合理的な類似性の範囲内であれば
適合の状態にあると認められることを意味している。
したがって、
個別分析に当たっては、
必ずしも地域の標準的使用をもって最有効使用とする必要はなく、
「適合の原則」を活用し、
個々にその最有効使用を判定しなければならない。
■予測の原則
①財の価格は、その財の将来の収益性等についての予測を反映して定まる。
②不動産の価格も、価格形成要因の変動についての
市場参加者による予測によって左右される。
不動産の価格は、
多数の価格形成容認の相互作用によって形成されるが、
要因は常に変動する傾向を持っている。
したがって、
①不動産の鑑定評価にあたっては、
②予測の原則を活用して、
価格形成要因の将来動向を十分に分析の上、
③その結果を要因分析や評価手法の適用に
適切に反映させるべきである。
具体的には、
①標準的使用や最有効使用の判定、
②原価法における経済的残存耐用年数の判定、
②取事比法における将来性に関する要因(地域の盛衰の動向とか)の比較、
③収益還元法における将来の純収益の見通し等に際して、
予測の原則を活用することとなる。
■おわりに
全部の法則までは説明しませんでしたが、
出題されやすい、
問題が作りやすいのは
上記の法則ではないでしょうか。
他の原則で問題作るって、
結構難しくないですか?
(今後出題されたらごめんなさい)
繰り返しですが、
第四章を応用すれば、
価値のあるものはなぜ価値があるのか、
説明できるはずです。
ぜひ普段の生活や仕事に、
第四章を適用して、
なぜ価値があるのか考えてみると、
理解も早いのではないでしょうか。
最近人が変わったように
マジメな文章が続いていますね。
そうそう、もともとマジメなんですよ。
だってあの難しい試験に合格しているわけですからね。
イカ臭いネタのときは、
真実を追求しているだけです。