こんにちは、城山です。
不動産鑑定士多しと言えど、
不動産ファンド
その仕組
ボンド
PO
アクイジション
エグジット
アセットマネジメント
私ほどAMのすべてを経験し、
精通している不動産鑑定士はいないでしょう。
■ファイナンスの種類
ファイナンスには、
の二種類があります。
デットファイナンスとは、
金融機関から借入したり、
社債市場から資金調達したりすることです。
エクイティファイナンスとは、
上場したり、
増資したりして、
株式市場から資金調達することです。
若手経営者が目指しているのは、
新規上場ですね。
今までは金融機関からの資金調達を
説明してきましたが、
今回からは社債について、
説明していきます。
ちゃんとわかりやすく書くので、
安心してください。
■ファイナンス担当者のしごと
社債起債時の証券会社との条件交渉
及び
文書作成作業
が主な仕事です。
割合としては、
証券会社とのMtgなどがほとんどですね。
お付き合いがあった証券会社は、
ゴールドマンサックス証券
とかでした。
普通に大手のみです。
この人たちに全員に連絡して、
通称「ビューティーコンテスト」を
開催するわけです。
略してビューコンですが、
これは明日説明します。
■社債について
株式市場があるのと同じで、
規模は違いますが、
社債にも市場があります。
「債券市場」というやつです。
日本国債を売買したり、
会社が出している社債を売買したり、、
各証券会社から、毎朝こんな感じにレポートが届きます。
<債券市場>
長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは大幅に上昇した。
日銀がゼロ%程度としている長期金利の誘導目標を柔軟化するのではないかとの観測から売りが広がった。
借入は、金融機関と交渉し、
オッケーなら貸してくれるし、
ダメなら貸してくれません。
社債は、 債券市場に打って出て、
「お前のファンドは信用できるから、
社債買うよ。」
という判断を受ける必要があります。
その債券市場に打って出る際のパートナーが、
証券会社です。
■なぜ社債を出すのか
一言で言うと、
「資金調達手段の多様化」
ですね。
金融機関からしかお金を引っ張ってこれないより、
金融機関からも、
債券市場からも、
株式市場からも、
お金を引っ張ってこれるようになると、
その会社は、
まぁ安泰なのではないでしょうか。
リーマンショック後は、
完全に金融機関に頼り切りで、
だから借入金利も高かったのです。
それが、
リーマンショックが落ち着いてきて、
債券市場もようやく動き出し、
株式市場もようやく株価が上がり始め、
それで企業は正常に資金調達できるようになってきた、
というのがここ10年の動きでは
ないでしょうか。
若干、行き過ぎ感もありますが。
■社債の金利の決まり方
長期借入金と同じです。
ただし、
証券会社に手数料を支払う必要は
ありますけどね。
こんな感じのスワップレートに、
各ファンドのスプレッドを上乗せしたものが、
金利SWAPレート(QUICK、仲値)
|
円/円 |
(前日比) |
1年 |
0.029 |
0.001 |
2年 |
0.046 |
0.002 |
3年 |
0.064 |
0.003 |
4年 |
0.085 |
0.002 |
5年 |
0.112 |
0.002 |
6年 |
0.147 |
0.003 |
7年 |
0.186 |
0.003 |
8年 |
0.227 |
0.004 |
9年 |
0.269 |
0.006 |
10年 |
0.312 |
0.007 |
15年 |
0.525 |
0.011 |
20年 |
0.700 |
0.010 |
30年 |
0.882 |
0.008 |
■低金利凄まじい
今年の5月にローンチされています。
ひとつめは、
7年債、50億、金利0.220%です。
7年50億が、たった0.2%くらいで
調達できます。
わかりやすく説明するために、
そこからスプレッドを導き出すこととします。
日本 国債利回り
https://jp.investing.com/rates-bonds/japan-government-bonds
昨日の終値で「-0.050%」です。
いいですか、マイナスですよ笑
仕上がり金利の0.220%から
-0.050%を控除すると、
スプレッドは0.27%です。
ふたつめは、
衝撃の20年債、50億、金利0.888%です。
20年借りて、金利が1%切るのです。
そこからスプレッドを導き出すこととします。
昨日の終値で「0.616%」です。
仕上がり金利の0.888%から
0.616%を控除すると、
スプレッドは0.271%です。
なんと、
7年債と、20年債のスプレッドがほぼ同じです。
債券市場は、日本ビルファンド投資法人を
大変高く評価していて、
こんなに金利が低くても、
それでも2本合わせて100億円が
債券市場で販売できちゃうのです。
7年債買ったらマイナス金利だし、
国債買うよりマシか!
NBF(日本ビルファンド投資法人のこと)なら
安心でしょう!」
てな感じですね。
これが、
金余り
低金利
の証左でしょう。
■おわりに
最近は真面目な記事を連投しているのですが、
記事閲覧数が右肩上がりに伸びています。
みなさん、、
こういう記事を読みたかったんですね。
(モテの記事よりこっちのほうか。。)
アクイジションまでまだまだありますので、
楽しみにしていてください!
明日は「ビューティーコンテスト」について。