こんにちは、城山です。
今日は「ビューティーコンテスト」です。
■ビューティーコンテストとは
みなさんが通常イメージしているのは、
女性が内面や外見の
美を競い合って、
一番美しい女性を決める、ってやつですよね。
証券会社のビューティーコンテストは、
要は手数料の取り合いです。
「ウチの証券会社は一番株を売れます!
ウチは、
別のファンドさんのPOや債権ローンチの際、
大活躍でした!
ウチは優秀です!
ウチからの提案はこうです!
だから!うちを主幹事、
トップレフトに選んでください〜〜〜!!」
てな感じで、
熱烈ラブコールをいただくわけです。
■ビューティーコンテストの内容
1時間ずつのアピールタイムを、
午前2コマ、
午後3〜4コマ、
プレゼンしてもらうわけです。
それぞれの証券会社ごとのキャラが
ありました。
みずほ証券さんは真面目で、
「御社ファンドなら大丈夫です。」
と安心させてくれます。
SMBC日興証券は自信満々で、
「お任せください!!!」
です。
野村證券は、
「ウチなら昨日の新聞でも定価より高く売ります!」
という凄まじい気合です。
営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて
三菱モルスタは、
ちょっとインテリっぽいイメージです。
ゴールドマンサックス証券は、
あんまり外資っぽくなかったですね。
日系の証券会社から転職していった人が
ほとんどではないでしょうか。
ちょっと興味がありました。
「こいつらいくらもらってるんだろう」とか、
「激務なのかなー」とか、
「この資料作るためにどんだけ残業したんだろう。」
とか思っていました。
■前のめりな理由
社債発行の手数料なんて
たいしたことないんですよ。
社債発行の手数料が欲しいんじゃなくて、
IPOとかPOしたときの手数料を獲得するために、
トップレフトを獲得するために、
日々営業努力しているわけです。
トップレフトとは
金融業界において、
融資や証券引受における主幹事または主幹事の中でも
最も出資額や引受額が多い金融機関を意味する業界用語。
出した額の多い金融機関の名前が目論見書などの書類において
一番上の一番左に書かれることが多いため
このように呼ばれるようになった。
「トップレフト」を勝ち取ることは名誉あることであるとされている。 https://www.weblio.jp/content/%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%95%E3%83%88
社債発行手数料なんてたかだか数千万ですが、
IPOとかPOだと
株式発行総額の3%が手数料として
証券会社に転がり込んできます。
例えば100億円のPOの手数料は3億円ですね。
その公開総額は、
2兆6460億9465万円
です。
この3%は、約800億円です。
ソフトバンクのIPO(新規上場)の初値は+10〜20%上昇する! フィスコのアナリストの初値予想から上場スケジュール、主幹事証券会社まで詳しく解説!|IPO株の攻略&裏ワザ情報!|ザイ・オンライン https://diamond.jp/articles/-/185771
こういう手数料を獲得するために、
日頃から他社での営業を頑張って、
実績を積み上げ、
「ウチにおまかせを!」
「ウチは主幹事たくさん経験してます!」
とアピールするわけですね。
ただのビューティーコンテストと思って
侮ってはいけません。
「ソフトバンクの主幹事やりました!」
といって、
他の会社からも案件を獲得していくのです。
終わりなき競争です。
証券会社って、
不動産などの資産は
ほとんど持っていないはずです。
もちろん現金とかは持っていると思いますが。
資産を持たず、
ただ気力と体力だけで株を売る、です。
ブラックになりやすい業界ではあります。
こちらはその実態を克明に記載してあって、
とても面白いのでお暇な時にぜひどうぞ。
■終わりに
経験しています。
非常によい経験になりました。
東京証券取引所の、
あの鐘を鳴らしたことがある人は、
そんなに多くないのではないでしょうか。
上場記念時にだけ鳴らすことができるあれです。
今日はここまで。
明日はファイナンス担当者としての海外出張や、
新規上場や公募増資のことなど。