不動産鑑定士のブログ 〜坂の上の雲〜

更新頻度が比較的高い不動産鑑定士のブログです。ためになる情報を発信していきます(たまに下ネタも。)。

【第266回】不動産鑑定士の将来性2

こんにちは、城山です。

 

今回は読者からの相談をご紹介します。

 

 

読者からの相談

城山様

 
初めてメールさせて頂きます。
 
関西にすむスズキ(仮名)と申します。
年齢は30代で、医療関係で働いております。
 
医療業界で10年仕事をしてきましたが、現在転職を考えております。
 
私の次の資格として、不動産鑑定士を視野にいれております(受験に合格するかはここではおいておきます)が、ネットで情報を集めると、不動産鑑定士の将来性に否定的な意見が多く、少し悩んでおります。
 
年齢的にも、次の仕事である程度落ち着きたいと考えておりますので、
城山様の視座で
不動産鑑定士の将来的な需要
・不動産経験の無い未経験者の資格取得後の展望
など、ご教授頂けないでしょうか?
 
今、私は人生の岐路に立っていると思っており、
自分の人生を見つめ直し転職も検討しておりました。
 
子供もいて離婚しておりますため、養いながら、自己努力でできる最大限の資格として不動産鑑定士にたどり着きました。
 
子供には、私の生きざまを通して自分を見つめ直すきっかけになってほしいとも思っております。
 
 
正直な所、ネットでは不動産鑑定士の将来性について前向きな意見を探す方が難しかったです。
 
しかし、匿名性が高い故の私的な感情からの否定的なコメントや書き込みも多くあるように感じています。
 
城山様が俯瞰された不動産鑑定士の現状と展望をご教示いただけることを期待して投稿をお待ちしております。
 
お忙しい中、最後まで読んでいただきありがとうございました。
 
それでは、失礼致します。

  

来る日も来る日ももくだらない内容でエントリーしてしまいましたが、
たまには真面目に書いてみようかと身が引き締まる思いです。
 
城山もようやく、
と認知されてきたのでしょうか。
 
これはもちろん、
文章の雰囲気をあまり湿っぽくしないためのボケであることは、
みなさんご承知の通りですよね。
 
以前このようなエントリーを書きましたが、
今日は改めて、不動産鑑定士の将来性について、
考えてみたいと思います。
 

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皇居
 

不動産鑑定士と日本

不動産鑑定士のレベルについて、最近エントリーしました。
つまりはこの質問者様への回答の前振りだったわけですが、
 
不動産鑑定士業界の将来性って、
日本の将来性と似てると思うんですよ。
 
日本は少子高齢化が進んでいて、
不動産鑑定士も受験生が減ってジジ鑑が辞めない、
まったく一緒ですよね。
 
ジジ鑑、私が作った造語ですが、
ジジイ鑑定士です。
 
一部、インバウンド、つまり訪日外国人が増えて、
観光ビジネスは儲かっています。
 
不動産も、海外の人がニセコとかそういった土地を買い漁って、
地価が爆上がりしているところもあります。
 

ちょっと昔の不動産鑑定士業界

聞いたところによるとですが、
昔はわけわかんない鑑定評価書を書いても、
1冊300万円
とか報酬がもらえた時期もあったらしいんですよ。
一ヶ月に一冊書いたら年収3600万円です。
ヨユーですよね笑
 
DCFもねぇ、
パソコンもねぇ、
インターネットもねぇ
事例もそんなに集まらねぇ、
 
そういう時代です。
 

不動産鑑定士業界の将来性

将来性っていうと、
日本はゆっくりと衰退していきます。
いきなりどかーんと落ちることはない代わりに、
今後盛り返していくってことは、
おそらくないでしょう。
よほどのことがない限り。
 
不動産鑑定士業界も一緒で、
よほどのことがない限り、
今後盛り返していくってことは、
おそらくないでしょう。
  

不動産鑑定士業界のチャンス

ただし、日本の将来と違って、
不動産鑑定士業界って、外圧、
つまり外国の資本が入ってきて淘汰されたりしたことって、
 いまんとこないですよね。
 
英語の鑑定評価書を和訳してくれとか、
日本語の鑑定評価書を英訳してくれとかはあったと
思いますが、
外国語の鑑定業者が日本に上陸して
業界を荒らしまくる、
っていうのはいままでなかったですよね。
 
必要がないからですよね笑
儲かるわけでもないし。
 
チャンスと言えば、不動産鑑定士業界が何か国語も使える業界になり、
例えばオーストラリア人が気軽にニセコの鑑定評価を依頼してくるようになるとか、
それくらい外部需要に対応できるくらいのグローバル化を果たせば、
もしかしたら可能性があるんじゃないでしょうか。
 
ただし、不動産鑑定士の先生方の多くがバイリンガルトリリンガル
なる見込みはないでしょう。
 
日本の需要に対応しているだけで、
贅沢はできなくとも普通には喰っていけるはずです。
 
英語を使えるようになるインセンティブもないでしょう。 
 

不動産鑑定士の将来的な需要 

そういうわけで、なんだかんだいって、日本が安泰な限り、
業界への需要はなくならないと思います。
需要が増えるってことはなかなかないと思いますが。
 
業界への需要は増えそうにないけど、
不動産鑑定士っていうブランドを活かして、
それをレバレッジとしてなにか事業をやっていこう、
っていうほうが可能性があると思います。
 
鑑定士になったけど、鑑定業に面白さを見いだせない人が、
例えば監査法人に行くってことはたくさんあるし、
ファンドマネージャーをやっている人もいるし、
再開発事業のコンサルタントをやっている人もいるし、
信託銀行にいる人もいるし、
 
鑑定業の将来は日本の将来と似ていますが、
鑑定士のブランドwを活かせば、
いくらでもチャンスはあると思います。
 

不動産経験の無い未経験者の資格取得後の展望

私のブログの読者に、
不動産経験はないけど、試験に合格した人がいます。
 
その人は、働きながら勉強し、
合格をきっかけに不動産関連部署に異動しました。
この人はラッキーかもしれません。
 
未経験者が合格したら、
「なんで鑑定士を受験したの?」とかは面接で聞かれると思いますが、
そこになんらかの理由があればなんでもいいと思います。
 
バラ色の人生が待っているとは思えませんし、
貧困から一発逆転大金持ちってこともないと思います。
 
 
長くなってきたので、
今日はこんなところで。